2019年度大会情報

第1報:PDFダウンロード
確報:PDFダウンロード

大会の概要

下記要領にて2019年度北海道農業経済学会大会を開催いたします。
皆様の多数のご参加をお待ちしております。

詳細は上記PDFもご覧ください。

日程および会場

日程:2019年11月2日(土)[大会]13:00~17:00

会場:北海道大学農学部4F大講堂

参加費:会員2,000円/非会員3,000円

事前申込:不要

大会シンポジウムテーマ

北海道における農村生活史(仮)

営農の課題を中心として語られてきた北海道の農村問題においても、近年、人口問題を背景として生活問題が重要なテーマとして認識されるようになってきた。

そもそも内国殖民地である北海道の開拓生活においては、開拓者間の共助が必要不可欠であった。戦前期に農家の定住化が進んだ農事実行組合型集落では相互扶助的関係が強まり安定度も高まった.一方で、引揚げ等を契機として「緊急」の名のもとに形成された戦後開拓型集落では生活そのものの維持がやっとという水準から戦後のスタートが切られた。

行政による農村のインフラ整備は、農業開発が最優先され、それに付随してやっと生活領域に及ぶというのが実態であり、鉄道、道路、排水路、用水路という産業インフラは進んだが、飲用水の確保や送電線の整備などは各地の事業組合や農協などが担うケースも多かった。その間、さまざまな生活課題は農村住民全体、および性別・年齢別集団の活動によって解決が試みられ、その活動を通じて住民組織も強化されてきた。そして、それをバックアップする行政的な支援があったが、当初はそれをリードすることもあった。

本シンポジウムでは、これまでほとんど手がつけられてこなかった北海道の農村における生活面での様々な取り組みの軌跡を明らかにし、そこから時々の農村の課題の変化を浮き彫りにすることとする。日記やオーラルヒストリーなどの生活史論的な蓄積が少ないため、戦後から高度経済成長期に大きな影響を与えた行政的な普及・教育の2大分野である「生活改善運動」と「公民館運動」の史的展開を通じて、農村住民、女性、青年層が目指したものと、その運動によってもたらされたものについて明らかにする。